理学療法士の転職先のアドバイス

可能性は狭めない

理学療法士の就職先として圧倒的なシェアを占めるのが医療施設(病院・診療所)であり、日本理学療法士協会の調べでは、会員のうち73%(57,862名)に当たる方が医療施設に勤務しています。

特に、複数の診療科をもつ大規模な病院で働く人も少なくなく、そこでは多種多様の患者と接することになるため、色々な疾患に応じた技術や知識が身に付くとともに、応用力や創意工夫の力も磨かれます。

ただ、そうした大病院の場合、早朝・深夜の勤務を強いられることがあったり、より多くの患者に対応するために効率的な仕事が求められるなど、負担や緊張が持続するという重圧もあります。

一方、総合病院としてではなく、リハビリテーションに特化して運営している医療施設もあります。

ここでは、重病の後遺症などを抱えながらも二以上生活に復帰したいという患者や障害者の方が運動療法、日常生活動作等の訓練を受けており、理学療法士は彼らをサポートする役割を担っています。

一般に、こうした施設は総合病院よりも小規模で、かつ地域密着型です。中には、通院が難しい患者のために訪問リハビリステーションを実施するところもあります。

このリハビリテーションを、お年寄りや慢性疾患の方に提供するのが療養型の病院です。こちらでは、すぐに日常生活に戻れるようにという急速な機能回復よりも、残された能力をなるべく活用したり、機能維持を図ったりといったことが目標とされます。

また、療養型の病院には症状が重く、自力での生活が困難な人が多いことから、住宅改修の相談に乗ったり、車いすや技師の発注をしたりと、介護職に近い分野の仕事を任されることも多々あります。

ただ、最近ではこうした就職先の他にも色々な職場がみられるようになりました。

たとえば、医療ではなく福祉分野で働く理学療法士も出てきています。

特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった福祉施設では、在宅復帰を目指す高齢者の方にリハビリを行い、身体障害者療養施設などの障害者用の施設に勤める方は、障害者の機能訓練を行い、自立生活のための支援を行います。

特に、児童福祉施設での訓練は機能回復・維持というより新たな機能の獲得・習得のためという意味合いが強く、「理学療法士=リハビリの専門家」とはあながち言い切れません。

こういった施設で働く場合、利用者が生活する場でリハビリや訓練を行うことになるため、作業の時のみ利用者の方と付き合う、とは限りません。

施設の行事に一緒に参加することもあれば、茶飲み仲間を務めることもあるでしょう。

そうして利用者と密に付き合う中で臨機応変な対応力や人間性を研磨することができるでしょう。

さらに、理学療法士は患者の運動機能を維持・向上させることが任務であることから、スポーツ分野での注目も高まっています。

スポーツには怪我や事故はつきもの。

そんなとき、障害の予防や治療、そのために必要なトレーニングの開発を行う理学療法士が活躍します。

一見トレーナーやコーチと似ていますが、スポーツ専門の理学療法士の場合、選手の育成というより、運動能力の維持や故障の防止によって現役時代を延ばすことに重点を置きます。

以上みてきたように、理学療法士という資格は病院だけでなく、福祉から教育、スポーツまで様々な領域に生かすことができます。

転職される際も、「これまで療養期一筋だったから、これからも……」とか、「自分にはデイサービスで勤めた経験しか無いから、転職先は限られているだろう」と言って可能性を狭めることなく、これまでの職業経験で見に付けられた知見を、幅広く活用するよう検討されてはいかがでしょうか。

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